本記事では、実現済みの事実、当社が公開している現場データ、今後の実証課題、制度・普及に関する将来課題を分けて記載します。 研究で何が分かり、何がまだ分からないかは パチンコと介護予防の可能性|研究と限界、 現場の利用人数・回数などは 現場データ で確認できます。
1. 2026年時点で実現していること
有限会社グローバルスタンダードは、2015年からパチンコと運動器具を連動させる仕組みの開発に取り組み、2016年から福祉施設への導入を開始しました。足ペダルやリカンベントバイクなどの運動に応じて遊技を進める仕組みに関して、特許第6719977号を取得しています。
現在は、施設向けに販売・レンタル・無料デモを提供しています。 また、これらの有償サービスとは別に、家庭などで不要になったパチンコ台を回収・整備して福祉施設へつなぐ「循環型福祉プロジェクト」も別プロジェクトとして運用しています。
※ここでいう「導入実績」は、利用実績を示すものであり、認知症予防・身体機能向上・ADL改善などの医学的効果が証明されたことを意味しません。
2. 現場データで確認できること
当社では、短期デモ施設から報告された利用人数・利用回数・複数回利用・職員評価などを集計しています。これは研究結果ではなく、施設自己申告による小規模な現場データです。
実利用者84名・延べ約285回。人数と利用回数の両方が確認できる4件を集計しています。
短期デモ5件の施設自己申告では、5件とも「変わらない」という回答でした。
このデータから、介護予防効果、身体機能改善、安全性などを証明することはできません。母数、欠損値、集計条件、読み取れないことまで 現場データ・施設アンケート で公開しています。
個別施設での利用状況は 実際の施設事例 で確認できます。
3. 現在地と残る課題
- 評価方法:笑顔・会話・「またやりたい」などの反応と、運動回数・時間・疲労感・姿勢・介助量などの測定項目を分けて記録する必要があります。
- 比較方法:パチンコあり・なしを比較する場合は、できる限り同じ器具・時間・負荷条件で実施し、運動回数や継続状況の差を確認する必要があります。
- 安全と個別性:本人の身体状況、認知面、音・光への反応、姿勢、既往歴などに応じ、施設の安全基準と必要な専門職の判断を優先する必要があります。
- 制度面:介護保険上の福祉用具や各種加算の対象であると一律に説明できる製品ではありません。補助制度も年度・自治体・事業ごとに対象要件を確認する必要があります。
- 普及面:パチンコへの抵抗感やギャンブルとの誤解に対し、金銭を賭けない施設活動であること、目的、運用ルールを説明する必要があります。
※制度・公募要件は年度や自治体で変わります。実際に申請を検討する場合は、必ず実施主体の最新要項で対象機器・対象経費・申請者要件をご確認ください。
また、導入後の安全配慮や継続運用の考え方は、 パチンコレクリエーションの安全・運用マニュアル とあわせて読むと理解が深まります。
4. 実証で確認すること
- 運動回数・時間:使用器具、実施時間、回数、休憩を記録する。
- 身体面:姿勢、動作の安定、介助量、痛み、疲労感などを確認する。
- 参加・継続:利用人数、継続時間、中断理由、複数回利用、「また利用したい」などを確認する。
- 主観・交流:楽しさ、疲労感、会話、笑顔、本人の感想などを記録する。
- 条件比較:可能な範囲でパチンコあり・なしを同じ器具、時間、負荷で比較する。
例えば、同じ器具で10回が限界だった方が15回できるようになった場合は、特定条件下での実施回数が増えた事実として記録できます。ただし、それだけで運動能力全体の向上を断定せず、複数回の測定、姿勢、介助量、疲労感などと合わせて確認します。 記録方法はまず手書き・表計算から始め、将来的な個人別データ保存・自動集計は次段階の課題です。
一般的な介護予防の知見とパチンコ固有の研究を分けた解説は、パチンコと介護予防の可能性|研究で分かること・分からないことをご覧ください。
実際にどのような器具で体を動かすのかは、機能訓練用パチンコで確認できます。
5. 補助制度との関係
介護テクノロジーや福祉機器の開発・導入を支援する制度はありますが、対象機器・対象経費・申請者・募集期間は制度ごとに異なります。介護予防用パチンコが全国一律で補助対象になると案内できる状況ではありません。
したがって、「補助対象外」と一律に断定することも、「補助金で導入できる」と案内することもできません。実際に検討する場合は、施設所在地の自治体や実施機関が公開する最新の公募要領を確認してください。補助制度の存在は、介護保険上の福祉用具貸与・販売や各種加算の対象になることを意味するものでもありません。
※募集状況や要件は年度・自治体により変わります。申請前に必ず実施主体の最新情報をご確認ください。
6. 普及した場合に考えられる価値
- 活動の選択肢:パチンコ経験や関心のある方に、既存レクリエーションとは異なる活動候補を用意できる可能性。
- 交流:演出や遊技結果をきっかけに、本人・周囲の利用者様・職員の会話につながる可能性。
- 運動記録:専用器具の実施回数や時間を記録し、継続状況を確認できる可能性。
- 資源循環:循環型福祉プロジェクトでは、不要になった遊技機を整備して福祉施設へ再活用する別の取り組みも進めています。
これらは一律に得られる効果ではありません。利用者本人の希望、施設環境、安全管理、職員の運用方法によって結果は変わるため、実証と記録による確認が前提です。
実際の現場でどのような価値が生まれているのかは、 介護レクリエーションにパチンコを活用する5つのメリット や 実際の施設事例 を見ると、より具体的にイメージしやすくなります。
7. 次の段階へ進む条件
次の段階へ進むには、利用者様の感想だけでなく、運動回数・利用時間・複数回利用・疲労感・姿勢・介助量・安全面・職員負担などを共通の方法で記録し、結果と限界の両方を説明できることが必要です。 そのうえで、施設職員・必要な専門職・開発や製造に関わる事業者と改善を重ねることが、商品改良やより広い普及へ進む現実的な条件になります。
補助対象化そのものを目的にするのではなく、まず再現可能な運用方法、記録方法、安全面、施設側の負担を確認することが先です。当社では、販売・レンタル・無料デモによる施設導入と、別プロジェクトである循環型福祉を分けて運用しながら、記録と比較を伴う実証を重視します。
現場データを確認し、施設事例を見る、仕組み・器具を確認する、そして必要であれば無料デモで自施設の利用者様・設置場所・職員様の運用感を確かめる、という順で導入判断を進められます。
※本記事は、実現済みの事実、施設自己申告データ、今後の実証課題・構想を区別する方針で作成しています。