介護施設やデイサービスでは、次のような悩みを聞くことが少なくありません。
- レクリエーションがマンネリ化している
- 体操や運動を嫌がる利用者様がいる
- 参加する人と見ている人に分かれてしまう
- 自然に体を動かすきっかけを作りたい
「運動をしてください」と言われると参加しにくい利用者様でも、本人の興味がある活動なら参加のきっかけが生まれることがあります。 その選択肢の一つが、楽しみと専用器具による運動を組み合わせた機能訓練用パチンコです。
しかし、パチンコの懐かしさ・参加しやすさ・継続しやすさを活かしながら、 手や腕、足を動かす器具と組み合わせることで、体を動かす活動や機能訓練のきっかけとして活用することは可能です。
当社は2015年に機能訓練用パチンコの開発を完了し、2016年から福祉施設への導入を開始しました。 現在も販売・レンタル・デモ・循環型福祉プロジェクトを通じて、施設ごとの目的や環境に合わせた導入支援を行っています。 この記事では、なぜパチンコが参加しやすいレクリエーションになるのか、 なぜ体を動かすきっかけになるのか、どのような器具があるのか、 そしてどのような導入方法があるのかまで、現場経験をもとに解説します。
実際にどのくらい利用されたのか
「楽しそうだった」だけで判断しないため、当社では回答・掲載可能な施設アンケートをもとに、利用人数・延べ利用回数・複数回利用などを公開しています。
人数と利用回数の両方が確認できる4件を同じ条件で集計しています。
施設から報告された利用回数の合計です。未回答項目を0として扱っていません。
一度だけではなく、複数回利用した方として施設から報告された人数の合計です。
※施設自己申告による小規模な現場データです。身体機能の改善、医学的有効性、全国の施設で同じ結果になることを示すものではありません。
パチンコが介護レクリエーションとして参加しやすい理由
参加のハードルが低い
体操のように最初から「動くこと」が前提ではなく、まずは見る・興味を持つ・少し触ってみるという入り方がしやすいのが特徴です。
見ているだけでも場に入れる
必ずしも全員が積極的に操作しなくても、周囲で見ているだけで楽しめる場面があり、参加のきっかけが作りやすくなります。
会話が自然に生まれやすい
「当たった」「懐かしい」「昔やったことがある」といった声が出やすく、利用者様同士や職員とのコミュニケーションにつながりやすい活動です。
継続しやすさがある
結果が出る、次が気になる、周囲が盛り上がるといった要素があるため、単なる運動より入りやすいケースがあります。
動画で見る、実際の利用シーン
写真や文章だけでは、身体の動き、画面への集中、職員との距離感までは分かりません。以下の動画では、座位で足踏みや上半身の操作を行いながら取り組む様子を確認できます。
昔の経験や会話のきっかけになることがある
パチンコは、多くの方にとって若い頃の思い出と結びついている遊びです。 そのため、「昔よくやった」「懐かしい」「この機種を覚えている」といった会話が自然に生まれます。
こうした会話が、昔の経験を思い出して語るきっかけになることもあります。ただし、専門的な回想法と同じ効果を持つと断定するものではありません。 パチンコは、本人の経験や好みに合う場合に、会話・思い出・参加へつながる可能性がある活動です。
しかし従来のパチンコは「運動」ではなかった
パチンコは、楽しい・懐かしい・盛り上がるというレクリエーションとしては優れていました。 しかし一方で、体を動かす活動としては、ほとんど活用されてきませんでした。
理由はシンプルです。従来のパチンコは、座って遊ぶ、手元操作が中心というものだったからです。 つまり、娯楽としては優れているが、運動としては活用されていなかったのです。
2015年から取り組んできたからこそ見えてきた変化
当社は2015年に開発を完了し、2016年から福祉施設への導入を開始しました。
導入当初、利用者様からよくいただいたのが 「パチンコなら手打ちではないのか」 という反応でした。 2015年当時に施設を利用されていた方々にとって、パチンコといえば昔の手打ち式パチンコの印象が強く、 そもそもパチンコをほとんど経験していない方も少なくありませんでした。
つまり、こちらが想像するほど最初から自然に受け入れられたわけではありませんでした。 「懐かしい」と感じる方もいれば、「今のパチンコはよく分からない」と戸惑う方もいました。 だからこそ大切だったのは、ただ台を置くだけではなく、どうやって参加の入口を作るかということでした。
最初の声かけ、周囲の盛り上がり、少し触ってみたくなる空気づくり。そうした運用面があって初めて、活動として根づきやすくなります。
さらに現場を回る中で分かってきたのは、施設ごとに求める動きや取り入れやすい運動が違うということでした。 ある施設では「手を使う動き」が受け入れられやすく、別の施設では「足を動かすリズム運動」の方が取り入れやすい。 その違いを一つずつ見ながら、器具の組み合わせや使い方を調整していきました。
こうして少しずつ、パチンコは「置いてあるだけの娯楽」ではなく、 楽しみながら体を動かす活動のきっかけとして形を整えていきました。
その後も福祉施設での販売・レンタル・デモを続け、2026年には不要台を整備して施設へつなぐ循環型福祉プロジェクトも開始しました。 一方で、導入台数だけでは利用者への価値を説明できません。現在は、どれだけ使われたか、どの器具で何回運動したか、疲労感や姿勢はどうだったかを記録する段階へ進めています。
導入件数だけではなく、利用人数・回数、複数回利用、職員評価などを施設アンケートから整理し、 現場データページで母数・欠損値・限界とともに公開しています。
そこで生まれた「機能訓練用パチンコ」
当社では、パチンコの楽しさを残しながら、体を動かすきっかけを作れないかと考えました。 そこで開発したのが、機能訓練用パチンコや 介護予防用パチンコです。
これは、パチンコの玉の発射に関わる仕組みを運動器具と連動させることで、 握る・踏む・回す・こぐ・押す・引くといった動作を行うと玉が発射される仕組みです。 つまり、体を動かすことで遊べるパチンコとして設計されています。
足ペダルやリカンベントバイクなどの運動に応じて遊技を進める機能訓練装置について、当社は特許第6719977号を取得しています。特許取得は医学的効果を保証するものではなく、装置の技術的な仕組みに関するものです。
どんな器具があるのか
ここでは代表的な器具を紹介します。 ただ「握る・踏む・回す」と書くだけでは分かりにくいため、 どのような体の動きになるのか、どの部位を使うのかが伝わる形で整理しています。
※器具の組み合わせや貸出・販売状況は時期とプランにより異なります。利用前に、施設の目的と利用者の身体状況に合う器具をご確認ください。
握力グリップ
グリップを握ると玉が発射されます。
この動作では手指や前腕を使います。
手指や前腕を使う活動として、本人の状態に合わせて取り入れやすい器具です。
足踏みパッド
左右のパッドを踏むと玉が発射されます。
この動作では太ももやふくらはぎなど下肢を使います。
座位で左右交互に足を動かす活動として取り入れやすい器具です。
ハンドル器具
ハンドルを回すことで玉が発射されます。
この動作では腕や肩を動かします。
回す・保持する動作を取り入れ、上半身を使う活動につなげやすい器具です。
足こぎペダル・リカンベントバイク
自転車のようにペダルをこぐ動作と遊技を連動させます。
この動作では太ももなどの下肢を使います。
姿勢、負荷、回転数、実施時間を施設職員や専門職が確認して使用します。
ボール器具
ボールを押したり挟んだりすると玉が発射されます。
この動作では腕や胸まわりを使います。
握る動作とは異なる、押す・挟む動作を取り入れやすい器具です。
ポールバー器具
バーを押したり引いたりすると玉が発射されます。
この動作では背中・腕・肩を使います。
上半身を使った「押す」「引く」という動作を取り入れやすい器具です。
機能訓練として評価する場合に記録する項目
「楽しそうだった」「以前より動けた気がする」だけでは、変化を客観的に説明できません。実証や継続評価では、少なくとも次の条件をそろえて記録します。
| 区分 | 記録する内容 | 確認する意味 |
|---|---|---|
| 実施条件 | 器具、負荷、時間、姿勢、左右 | 前回や比較条件と同じか |
| 運動量 | 回数、ペダル回転数、継続時間、休憩 | 活動量や持続性の変化 |
| 身体面 | 疲労感、痛み、息切れ、動作の安定、介助量 | 無理なく安全に行えたか |
| 参加面 | 参加の有無、中断理由、楽しさ、集中度、再参加意向 | 参加しやすさや継続性 |
| 観察 | 表情、会話、姿勢、職員の声かけ回数 | 環境や支援方法の影響 |
回数が増えることは活動量や持久性を考える指標の一つですが、運動能力全体の向上と同じではありません。複数回の測定結果と、姿勢・介助量・疲労感などを合わせて判断します。パチンコの影響を確認したい場合は、可能な範囲で同じ器具・負荷・時間を使い、パチンコあり・なしの条件を比較します。
なぜ「やらされる運動」になりにくいのか
機能訓練の大きな課題の一つが、継続できないことです。 運動だけの場合、退屈、面倒、やりたくない、と感じる方もいます。
しかしパチンコには、当たり・結果・盛り上がりがあります。 そのため、単に「動いてください」とお願いするよりも、 楽しみながら体を動かすという形になりやすいのです。
ただし、ここで一つ大切なことがあります。 パチンコを置いたからといって、どの施設でも自然に継続利用されるわけではない、ということです。
実際に長く使われている現場には共通点があります。 それは、職員の声かけがあること、「ただ遊ぶ」のではなく活動の一つとして位置づけられていること、 そして本人に目的や楽しみ方が伝わっていることです。
パチンコは、置いてあるだけではなく、周囲の声かけや関わり方によって生きる活動です。
だからこそ「器具」だけでなく「運用の工夫」も大切になります。
この点は、通常の運動機器との違いでもあります。 パチンコには場の盛り上がりや会話が生まれやすい反面、 その空気を作る関わりがあるほど、より継続しやすくなるのです。
デイサービス・老人ホームなど、施設種別ごとの活用イメージ
「介護施設ならどこでも向いている」とは限りません。施設種別よりも、利用者層、目的、設置場所、見守り体制が重要です。そのうえで、施設ごとに考えやすい活用例を整理すると次のようになります。
レクリエーションと運動の入口
短時間の活動、個別対応、男性利用者様の参加のきっかけとして検討できます。リハビリスタジオかぎやの継続利用事例も公開しています。
日中活動と会話のきっかけ
座位での活動、昔の経験を話すきっかけ、居室外へ出る目的づくりとして検討できます。特別養護老人ホームおながわの事例では、利用者様の実際の声も掲載しています。
目的を明確にした運用
専門職が利用者ごとの目的、動作、安全性、評価方法を確認し、既存プログラムとの関係を整理する必要があります。
身体状況に合わせた器具選択
車いすや座位で参加する方もいるため、足踏み、足こぎ、グリップなど、無理のない器具を選びます。並木路荘のデモ事例も確認できます。
少人数での交流
利用者同士や職員との会話を生みやすい一方、音量、設置場所、生活空間との距離を確認する必要があります。
向かない場合もあります
本人が強く嫌がる、十分な見守りができない、設置や配線の安全を確保できない場合は、別の活動を選ぶべきです。
| 確認項目 | 確認する内容 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 利用目的 | レクリエーション、運動の入口、会話、回想など | 目的を職員間で共有できる |
| 利用者層 | 興味、身体状況、認知機能、過去の経験 | 本人が無理なく参加できる |
| 安全 | 転倒、誤飲、配線、台の固定、見守り | 施設の安全基準を満たせる |
| 環境 | 音、設置スペース、搬入経路、電源 | 他の利用者や業務を妨げない |
| 継続運用 | 声かけ、利用時間、記録、機種交換 | 担当者と運用方法を決められる |
「パチンコ=ギャンブル」というイメージについて
パチンコと聞くと、ギャンブルではないのか、悪いものではないのかと感じる方がいるのも事実です。
しかし福祉施設で使われるパチンコは、換金目的ではありません。 あくまで、レクリエーション・会話のきっかけ・活動の一つとして使用されます。
また、人それぞれ、楽しいと感じることは違います。 歌が好きな人、体操が好きな人、手芸が好きな人がいるように、 パチンコが楽しいと感じる人もいます。
機能訓練として扱う際の注意と中止基準
本機器を置くだけで身体機能が向上することを保証するものではありません。施設で機能訓練として実施する場合は、利用者ごとの身体状況、目的、負荷、実施時間、安全面、評価方法を専門職または施設の担当者が確認してください。
- 本人が嫌がる場合や同意が得られない場合は無理に勧めない
- 座位・立位、器具、負荷、実施時間を身体状況に合わせる
- 転倒、誤飲、配線、台の固定、可動部への巻き込みを事前に確認する
- 痛み、胸部不快感、めまい、強い息切れ、顔色不良、普段と異なる強い疲労、不安が出た場合は中止する
- 持病や運動制限がある場合は、事前に医師・看護職・リハビリテーション専門職などへ確認する
グローバルスタンダードの強み
当社は、単に「パチンコを施設に置く」ことを提案しているのではありません。 2015年に開発を完了し、2016年から福祉施設への導入を行い、 現在では次のような導入方法を総合的に扱っています。
長年の導入経験
2016年から福祉施設への導入を続け、現場に合う使い方を蓄積してきました。
特許技術と器具提案
楽しさを残しながら体を動かすきっかけを作る形を提案しています。
導入方法が選べる
無料デモ・レンタル・購入から、施設の検討段階に合う方法を選べます。循環型福祉は条件の異なる別事業です。
記録と安全を含む運用提案
実施条件、運動回数、疲労感、姿勢、介助量などの記録と安全確認を重視しています。
特許情報は特許ページ、 実際の活用状況は施設の声・事例、 利用人数や回数は現場データ、 導入方法の違いは比較ページで確認できます。
どの導入方法が向いているのか
施設によって、最適な導入方法は異なります。 まずは次の中から、自施設に近い導線を選んでいただくのがおすすめです。
まず自施設で試したい
利用者様の反応、設置場所、音、職員様の運用感を確認してから判断したい施設様向けです。
無料デモを見る継続利用したい
1年・3年単位で継続し、保証や年1回の機種交換を含めて運用したい施設様向けです。
レンタルを見る施設備品として長く使いたい
月額費用をかけず、機能訓練用パチンコを長期保有したい場合の選択肢です。
購入プランを見る違いを比較して決めたい
料金・期間・送料・保証・器具・機種交換などを並べて確認できます。
導入方法を比較するこのコラムから、公式ページへつなげて確認できます
検索からこの記事に来た方が、仕組みだけでなく「本当に使われているのか」「数字はあるのか」「自施設でどう試すのか」まで続けて確認できるようにしています。
関連コラム|介護レクリエーションから広げて読む
このページを検索入口として、施設の課題に近い記事へ進めます。
まとめ
パチンコそのものが機能訓練になるわけではありません。 しかし、懐かしさ・参加しやすさ・継続しやすさを活かしながら、 器具を通じて手・腕・足を動かすことで、 体を動かす活動や機能訓練のきっかけとして活用することは可能です。
実際の現場でも、「場が明るくなった」「自分から続けてくれるようになった」といった声が寄せられています。 そして、その背景には、ただ器具があるだけではなく、現場での声かけや使い方の工夫があります。 これらは個別事例であり、すべての利用者に同じ変化が生じることを示すものではありません。今後は共通の記録項目で結果を蓄積し、どのような人・器具・運用条件で参加や運動が続きやすいかを確認する必要があります。
当社は2015年に開発を完了し、2016年から福祉施設への導入を続けています。 今後も、パチンコを新しい楽しみや活動参加の選択肢として活用しながら、運動回数・疲労感・姿勢・介助量などの実データを重ねていきます。
これらは介護予防・身体活動に関する一般的な資料であり、当社製品固有の効果を証明するものではありません。
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仕組みを理解した後は、実例・数字・導入条件の順で確認すると判断しやすくなります。
よくある質問
パチンコそのものが機能訓練になるのですか?
パチンコそのものが機能訓練になるわけではありません。 当社では、パチンコの楽しさを活かしながら、器具を組み合わせて手や腕、足を動かすことで、 体を動かす活動や機能訓練のきっかけとして活用しています。
福祉施設で使うパチンコはギャンブルではありませんか?
福祉施設で使用されるパチンコは、換金を目的としたものではなく、ギャンブル目的でもありません。 施設内でのレクリエーションや活動のきっかけとして使われます。
車いすや座位でも使用できますか?
座位で取り組みやすい足踏みパッド、足こぎペダル、グリップなどがあります。ただし、利用者様の身体状況と施設の安全基準に応じて、器具、姿勢、見守り方法を選ぶ必要があります。
デイサービスや老人ホームでも導入できますか?
デイサービス、特別養護老人ホーム、障害者支援施設などでの導入・デモ事例があります。施設種別だけで判断せず、利用者層、設置場所、見守り体制、目的に合うかを事前に確認します。