「玉の音で他のレクと同時に使いにくい」
ある介護施設では、体操や制作などの全体レクに興味を示しにくい利用者様へ、 別の楽しみと身体活動のきっかけを用意する目的でパチンコを導入しました。
一方、ボリュームを下げても玉の音が残り、他のレクを行っている最中には使いにくいという課題が出ました。 台の周囲にクッション材を置いても十分な効果を感じられなかったとのことです。
ただし同時に、玉なしでは面白みに欠けて興味が弱くならないかという懸念も挙がりました。
結論から言うと、玉あり・玉なしのどちらが正解かは施設環境によって変わります。 玉ありは実際に玉が動くため「パチンコらしさ」や臨場感を感じやすい一方、 スピーカー音を下げても玉に由来する物理的な音が残ります。 玉なしはその音と玉管理を減らせますが、利用者様によっては物足りなさを感じる可能性があります。
以下は当社の機能訓練用パチンコの運用経験と施設ヒアリングをもとにした比較です。 利用者様の感じ方や施設環境によって評価は変わります。
| 比較項目 | 玉あり | 玉なし |
|---|---|---|
| パチンコらしさ | 玉の動き・音があるため、過去にパチンコ経験のある方には馴染みやすい場合があります。 | 液晶演出や操作は楽しめますが、玉の動きがないことで物足りなく感じる方もいます。 |
| 音 | スピーカー音に加え、玉の打ち出し・盤面等への接触による音が発生します。 | 玉に由来する音を減らせます。ただし、スピーカー音や役物音などがあるため無音ではありません。 |
| 他レクとの併用 | 同じ空間で体操・制作・テレビ視聴等を行う場合、距離や時間帯の工夫が必要になることがあります。 | 玉音がない分、共用空間で使いやすい場合があります。 |
| 玉の管理 | 玉の散乱・紛失・誤飲等を考え、施設側の見守りや対策が必要です。 | 遊技球を使わないため、玉そのものの管理は不要です。 |
| 職員様の運用 | 玉の状態や周囲の確認を含め、玉なしより確認項目が増える場合があります。 | 玉管理がない分、運用項目を減らせる場合があります。 |
| 向いている環境 | 十分な広さ・距離が取れる、利用時間を分けられる、臨場感を重視する施設。 | 同一フロアで複数活動を行う、静けさを優先する、玉管理を減らしたい施設。 |
当社が施設様とやり取りする中でも、玉あり・玉なしの評価は一方向ではありません。 施設名・担当者名は、公表許可が確認できていない内容について匿名化して紹介します。
ある介護施設では、体操や制作などの全体レクに興味を示しにくい利用者様へ、 別の楽しみと身体活動のきっかけを用意する目的でパチンコを導入しました。
一方、ボリュームを下げても玉の音が残り、他のレクを行っている最中には使いにくいという課題が出ました。 台の周囲にクッション材を置いても十分な効果を感じられなかったとのことです。
ただし同時に、玉なしでは面白みに欠けて興味が弱くならないかという懸念も挙がりました。
別の施設では、他社の機能訓練用パチンコを玉あり仕様で利用していましたが、 音が大きいことを理由に、当社の玉なし仕様をレンタル契約していただいた例があります。
このケースでは、パチンコらしさよりも、施設内で継続して使える静けさが優先されました。
品川区内の障害者支援施設では、同じフロア内にリハビリ器具やテレビ等があるものの、 十分な広さがあり、活動同士の距離を確保できる環境でした。
その環境では、玉なしよりも玉ありの方がパチンコらしい臨場感があって良いという評価がありました。
玉あり・玉なしの選択は、機械だけの問題ではありません。 部屋の広さ、他の活動との距離、利用時間、利用者様の経験・興味、職員様の運用体制によって答えが変わります。
パチンコの音には、液晶演出などのスピーカー音と、 玉の打ち出し・盤面や部品への接触などによる物理的な音があります。 玉ありでは、音量設定を下げても後者は残ります。
そのため、「音量を最低にすれば玉ありでも十分静かになる」とは限りません。 音が重要な施設では、実際の部屋・時間帯で確認することが重要です。
※動画は音の傾向を比較するための一例です。機種、音量設定、部屋の広さ、床・壁材、周囲の活動等によって聞こえ方は変わります。
音そのものを詳しく確認したい場合は 介護施設のパチンコはうるさい?|音の確認ポイント もあわせてご覧ください。
施設から「クッション材を台の周りに巻いてみたが、あまり効果がなかった」という声もありました。 玉の物理音は複数箇所から発生するため、台だけを覆う対策で十分に下げられるとは限りません。
筐体の通気部、配線、操作部等をクッション材などで覆う方法は、 機種の仕様や安全性に影響する可能性があります。 機械本体を自己流で密閉・改造するのではなく、設置場所・時間帯・仕様選択から調整するのが基本です。
玉ありでは、玉が施設内へ散らばらないこと、紛失しないこと、誤飲につながらないことなど、 遊技球そのものへの管理が必要です。 玉なしでは、その玉に由来する管理項目を減らせます。
ただし、玉なしならすべての安全リスクがなくなるわけではありません。 台の安定、配線、車椅子・椅子の位置、姿勢、見守り、体調確認などは両方で必要です。
詳細は 介護施設でパチンコを安全に使うための対策 で整理しています。
事例1の施設では、楽しみとして導入するだけでなく、 訓練前後を計測して能力向上につながるか確認したいという目的もありました。 一方で、足踏み回数を自動で把握できないため、職員様がマンツーマンで付けない環境では 実施量を記録しにくいという課題も挙がっています。
これは玉あり・玉なしとは別の問題ですが、実際の導入では重要です。 「楽しいか」「静かか」だけでなく、何回・何分行ったか、疲労感、姿勢、介助の有無、またやりたいかなど、 施設で継続して記録できる項目もあわせて考える必要があります。
玉ありには玉の動き・音を含めたパチンコらしさがあり、 実際に「玉ありの方が臨場感がある」と評価する施設があります。 一方、玉の音が他レクと両立しにくく、玉なしへ切り替える判断をした施設もあります。
したがって、選択基準は「どちらが優れているか」ではなく、 誰が使うか、どこで使うか、何と同時に使うか、職員様がどう運用するかです。